2010年6月1日火曜日

トラブル


トラブル/Trouble

 エルヴィス・プレスリー出演映画のかなでも、映画的に一番見応えあるのが『闇に響く声』。エルヴィス映画の最高峰とも言われている。

 リアルタイムで観るにはほど遠く、DVDでしか見たことがない。それでも一番、エルヴィス・プレスリーらしい。入隊を延期しての慌しい撮影。監督は名作『カサブランカ』のマイケル・カーティス。他にも『俺たちは天使じゃない』、『カンサス騎兵隊』、『コマンチェロ』、『ホワイト・クリスマス>』がある。

 共演は、ウオルター・マッソー、ビック・モロー。舞台はニューオーリンズ。ロマンティックには遠くハードな印象が浮かぶ。メインの楽曲も<トラブル>

 ジェリー・リーバー、マイク・ストーラーの黄金コンビの提供による楽曲だ。エルヴィスがジャージーなフル・オーケストラで歌った記念すべき曲。個人的な意見ではあるが、この曲のエルヴィスの声はキャリアの中でも最高レベル。

 とにかくシャウトするエルヴィスの若さがいい。ただ若いだけではなく、哀愁のある声が、ニューオーリンズのジャズバンドをバックにエキサイティングのシャウトするわけだから半端ではない。しかも途中からテンポがアップして、ロックンロールとジャズオーケストラの融合がエルヴィスの声によって成功する。

ロックンロール黎明期、魅力的なロックンローラーが登場したが、エルヴィスが彼等と一線を画していたことが浮き彫りになる作品だ。

 <トラブル>をはじめエルヴィスのすばらしさは変幻自在で、<ア・フール・サッチ・アズ・アイ><恋の大穴>と続いていく時期の傑作のひとつ。大声で叫ぶだけなら誰でも出来る。「シャウトってのはこうするんだぜ!」と、ぐんぐんリスナーをひっぱていく迫力はまさしくザ・キング・オブ・ロックンロールを実証している。

トラブルを探してるなら
ちょうどいいとこに来たぜ
トラブルに巻き込まれたいなら
オレの顔を見てみなよ
生まれた時から歩き、口答えしてた
オヤジは緑色の目をした山賊さ
オレは凶悪、ミドルネームは「災い」
オレは凶悪、だからちょっかい出すんじゃねえ

自分からトラブルを探したことも
トラブルから逃げたこともない
命令なんて受けないぜ
たとえどこの誰からも
オレは肉と血と骨でできてるだけ
でもオレにケンカを売る気なら
一人で売るのはやめときな
オレは凶悪、ミドルネームは「災い」
オレは凶悪、だからちょっかい出すんじゃねえ

オレは凶悪、ものすごく凶悪な男
オレは凶悪、ものすごく凶悪な男
だからやめときな、やめときな
オレにちょっかい出すのはやめときな
オレは凶悪、オレは凶悪だからやめときな
オレにちょっかい出すのはやめときな
オレは凶悪、そうさ、オレは凶悪
だからオレにちょっかい出すのはやめときな
イェー

1968年全米を釘付けにしたTV特別番組『ELVIS:TVスペシャル』のオープニングでも歌っている。


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